死亡一時金の支給要件

死亡一時金は、死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者(任意加入被保険者・特例任意加入被保険者を含む)としての被保険者期間期間に係る保険料納付済期間の月数と保険料免除期間の月数を合算した月数が36月以上であるものが亡くなった場合に、その者の遺族に支給されます。

ただし、以下のいずれかに該当するときは支給されません。

(1)老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けたことがある者が死亡したとき(旧法を含む)

(2)死亡日においてその者の死亡により遺族基礎年金を受けることができる者があるとき。ただし、当該死亡日の属する月に遺族基礎年金の受給権が消滅したときを除く

(3)死亡日において胎児であった子が生まれた日においてその子又は死亡した者の妻が遺族基礎年金を受けることができるに至ったとき。ただし、胎児が生まれた日の属する月に遺族基礎年金の受給権が消滅したときを除く(例:胎児の死亡)

死亡一時金は、遺族基礎年金の受給権者がいない場合に支給される給付です。保険料の掛け捨て防止として一時金で支給されますが、払った保険料に対してもらえる金額はとても少ないです。
同一人の死亡により死亡一時金と寡婦年金を受けることができるときは、その者の選択により、どちらか一方が支給され、他方の受給権は消滅します。ほとんどの方は60歳から65歳までもらえる寡婦年金を選んだ方が得ですが、妻が65歳近くに夫が亡くなった場合は死亡一時金の方が得する可能性があるので計算する必要があります。わからなければ、年金事務所か市区町村役場の年金課で相談してください。

死亡一時金を受給できる遺族の範囲及び順位

死亡一時金を受けることができる遺族は、死亡した者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていた者です。

受給順位は上記の順で、一時金なので最上位者のみに支給されます。

もし、最上位者が複数いる場合は、その一人が代表者として請求・受給し、その人が分割して他の受給権者に渡すことになっています。

遺族基礎年金を受給できるときには、死亡一時金は支給されません。ただし、子が遺族基礎年金の受給権を取得したとき(夫または妻が遺族基礎年金の受給権を取得した場合を除く)に生計を同じくするその子の父又は母がいると、子の遺族基礎年金が支給停止され、その時は、死亡した者の配偶者に死亡一時金が支給されます。

死亡一時金の額

死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者期間(任意加入被保険者・特例任意加入被保険者期間を含む)における保険料納付済期間と保険料免除期間をそれぞれ次のように計算し、その月数によって支給額が決まります。

死亡一時金における月数の計算方法
(1)保険料納付済期間 実期間
(2)保険料1/4免除期間 3/4の月数
(3)保険料半額免除期間 1/2の月数
(4)保険料3/4免除期間 1/4の月数

上記(1)〜(4)を合計した月数によって、次の一時金が支給されます。

支給要件に記載されている期間の合計月数 支給額
36月以上180月未満 12万円
180月以上240月未満 14万5千円
240月以上300月未満 17万円
300月以上360月未満 22万円
360月以上420月未満 27万円
420月以上 32万円

例えば、次のような場合であったと仮定します。
・保険料納付済期間 20年(240月) 240月
・保険料半額免除期間 1年(12月) 6月
・保険料1/4免除期間 4年(48月) 36月

赤字の部分が上記の計算式による結果なので、合計で282月となり、17万円の死亡一時金を受け取れることになります。

付加保険料を3年以上納付している場合は、死亡一時金に8500円が加算されます。ちなみに、3年間の付加保険料は14,400円です。
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