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生活保護と年金は両方もらえるのか?

しっかりとした理由により働けない方や働いても収入が少ないという方で、金融資産がない、面倒を見てくれる親族がいないなどの条件を満たすと生活保護を受けられます。

これは、日本国憲法25条1項の「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」という生存権に基づいて行われる生活費の支給です。

この生活保護ですが、高齢者なら老齢年金、障害者なら障害年金、遺族なら遺族年金と同時に受け取れる状態になることがあり、併給できるか気になる方も多いのではないでしょうか?

結論を言うと、どちらも受け取れます。

ただし、初めに年金が支給され、その後に生活保護費から受け取った年金額を差し引いた額が支給されるので、生活保護費の金額と変わりません。

もしも、生活保護よりも年金受給額の方が大きければ、生活保護費は一切支給されないことになります。

生活保護はあくまでも、健康で文化的な最低限度の生活のために支給されるものなのです。

生活保護の被保護者が増えているのは高齢化が原因

厚生労働省によって発表された平成27年10月分の生活保護の被保護実人員は2,166,019人、被保護世帯は1,632,321世帯で、年々、増加傾向にあります。

病気で働けない方や専業主婦、そして、意外にも高学歴の方も多いそうですが、被保護者が増えた最も大きな要因は高齢化です。

団塊の世代が退職し、一気に年金受給者の人数が増えましたが、自営業者やアルバイト・無職などの期間が長かった人は老齢基礎年金しか受給できず、満額でも月額6.5万円しかもらえません。

基礎年金として強制加入の国民年金ですが、一人暮らしで月6.5万円ではさすがに日本のどこでも生活し続けるのは難しいでしょう。

一方、生活保護は、生活扶助、住宅扶助、教育扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助があり、地域や家族構成などによって異なるので一概にいくらと言えませんが、確実に老齢基礎年金よりも多くなります。

したがって、ある程度の厚生年金保険の加入期間がない方は、老齢基礎年金と差額の生活保護を受けることになり、結果として被保護者の数が増えたのです。

そして、非正規雇用が4割に達したことと高齢化を考慮すれば、今後はほぼ老齢基礎年金のみの受給という高齢者が増えるので、今後も生活保護を受ける方が増えることが予想されます。

特に、団塊の世代ジュニアが現役を退いた時は、年金額は今より減っているでしょうし、受給開始年齢も後送りれされている可能性があるので、被保護者増が加速しそうです。

※法改正により、執筆当時と閲覧時で差異が生じる可能性があるので注意してください。
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