第1号被保険者とは?

次のすべてを満たすと第1号被保険者となります。
・日本国内に住所を有し20歳以上60歳未満
第2号被保険者及び第3号被保険者ではない
・政令で定める老齢退職給付を受けられない

なお、老齢退職給付を受けられる人は、任意加入できます。

こうして文章で見ると難しそうに見えますが、簡単に言うと、「20〜60歳の自営業者・無職・学生・農業者・フリーター・ニート等は、第1号被保険者として国民年金に強制加入になりますよ。」ということです。

さらに、国籍は問わないため、外国人も強制加入となり、保険料を納付しなければなりません。

短期滞在外国人の場合は、帰国後に脱退一時金の申請をするか、社会保障協定締結国なら両国の年金加入期間を通算するかになります。詳しくは、脱退一時金とは?をご覧ください。

では次に、第1号被保険者の資格の得喪について説明します。

第1号被保険者の資格の取得・喪失

第1号被保険者資格の取得
20歳の時は、誕生月の前月に日本年金機構から『国民年金被保険者資格取得届書』が届くので、必要事項を記入して市区町村役場や年金事務所に提出します。

その後、『年金手帳』と『国民年金保険料納付書』が届くので、金融機関やコンビニで保険料を納付してください。

それ以外については、転入届等の手続きと一緒に、自ら市区町村役場で行ってください。

項目 説明
取得時期 ・20歳に達したとき(誕生日の前日)
・日本国内に住所を有するに至った日
・3年を超える懲役又は禁固刑に処せられ、廃止された国会議員互助年金法の定めにより老齢給付の受給権が消滅し、その時点で60歳未満であった日
手続きの場所 自分で市区町村役場

第1号被保険者資格の喪失
下記の状況になった場合、強制加入ではなくなるので、『国民年金被保険者種別変更届』は必要ありません。

ただし、就職して第2号被保険者になった場合や、会社員や公務員の方と結婚して第3号被保険者となった場合は、会社を通じて被保険者の種別を変更しなければなりません。

項目 説明
喪失時期 ・死亡した日の翌日
・60歳に達した日(60歳の誕生日の前日)
・日本国内に住所を有しなくなった日の翌日
・被用者年金各法の老齢給付等の受給権を取得した日
手続きの場所 被保険者種別変更届は不要。
ただし、それぞれの事態に応じた届出が必要です。

第1号被保険者のメリット・デメリット

第1号被保険者のメリットは、次の独自給付を受けられることが挙げられます。
付加年金(老齢基礎年金の上乗せ給付)
寡婦年金(夫が亡くなった時に妻が受け取れる年金)
死亡一時金(遺族基礎年金の受給権を有しない場合に支給される一時金)
脱退一時金(短期滞在外国人に対して支給される一時金)

第1号被保険者のデメリットは、次の通りです。
・保険料を納付しなければならない

独身者の場合は、自営業者等なら自分で国民年金保険料納付、会社員や公務員なら給料から厚生年金保険料を天引きなので問題はありませんが、夫婦となるとは話は違います。

夫婦のどちらかが会社員・公務員ならば、その配偶者は第3号被保険者となり保険料を納付しなくても済みますが、自営業者等ですと夫婦どちらも第1号被保険者となり国民年金保険料を納付しなければなりません。

第1号被保険者か第3号被保険者かの違いによって、このように大きな差が生じるのです。

第2号被保険者とは?
第3号被保険者とは?
任意加入被保険者とは?
国民年金の被保険者の制度解説

※法改正により、執筆当時と閲覧時で差異が生じる可能性があるので注意してください。
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